最終更新日:2019年04月01日

目次


パソコン買う?

大学に入学して、まず考えて困ることの一つがパソコンを買うということである。どの程度真剣に考えるかは別だが、ふと頭によぎる程度ででも、考える機会は少なくはない。2000年以降、少なくとも、筆者が大学に入学した2006年以降は、大学生になってはじめに考えることの一つになっているだろう。

ここ数年は、スマートフォンが発展してきた影響によって、パソコンなんていらないと思っている入学生も少なくはないが、スマートフォンでできることなど限られているので、まともな大学生活を送るには、まだまだパソコンは必要不可欠のものである。

低学年の頃は、レポートの作成や情報分析にパソコンが必要となり、三年生から四年生にかけて、就職活動の書類を作るのにやはりパソコンがなければ難しいことを感じるだろう。そして、卒業論文や製作の際に、大半の学生はパソコンに頼ることになる。購入せずに大学の情報処理教室でひたすらがんばる者も少なくはないが、情報処理教室の開放時間には限りがあるので、時間管理がかなりしっかりとできていなければ、やりきることは難しい。

やっぱり、パソコンを買わなきゃ厳しい! という思いが強くなる。

と、ここまで書いたが、この記事は、特にパソコンを買いなさい! という内容ではない

情報教育の授業を行っていると、けっこうな頻度でパソコン購入の相談を受けるので、記事として残しておくだけである。

相談しに来る学生は、相談したい学生の一部であると考えられるので、まぁ、必要でしょうというお話である。ここで書く内容は、あくまで原則論であるので、個別のケースではその原則に当てはまらないケースもあるだろう。やはり、パソコンに詳しい人間が自分の周りにいるのであれば、多少でも相談した方が良いと思われる。店員に聞いても良いが、店員は一応自分の店で買ってほしいので、嘘は言わないだろうが、買わせようとする展開に持って行かれる可能性があることは頭に入れておいた方が良い。どうしても困った際には、もちろん筆者に相談してくれて構わないので、そのようにしてほしい。

目的を考える

パソコンを買う際にまず考えなければならないことは目的である。今回の話題としては、当然大学に入学して、これからの学生生活を目的にしているんだ、ということでも良いわけだが、パソコンはいろいろと他のことにも使うことができる。筆者みたいに何台もパソコンを持っても良いわけだが、比較的高価な買い物であるわけだから、しっかりと考えて、自分の目的に沿った形のものを買うのが良いだろう。

簡単に最も大きいことを書くと、3Dゲームをするか? といったところになるだろうか。動画編集もパソコンの性能が大きく関わってくるだろう。その他、上級生になったときに専門的なアプリケーションを利用するか否かというところも視野に入れられると良い。将来、どのようなことをやっていくのか、自分の希望も含めて、先輩や教員から情報収集をするということも必要になってくるだろう。

それでは、パソコンを選ぶために必要な目的をざっくりと挙げてみる。

なお、この後に確認ポイントを書くが、飛ばしたい場合は、性能の基準に飛ばしても良い。

ただし、あくまで基準なので、参考程度にしてほしい。

①Eメールやインターネットサーフィンのみ(高画質な動画配信やインターネットのゲームは利用しない)が利用できれば良い。

今、新品で売っているパソコンであれば、ほとんどのもので十分に利用できる。

メールソフト や ブラウザ は、基本的に最初からインストールされているケースが多いし、無料でインストールできるものも多い。一部、Flashを利用しているWebサイトなどはあるが、スマートフォンでも十分に対応できるので、これだけが目的ならば、パソコンをあえて買う必要はないかもしれない

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②Officeを利用したい。

学生生活を送るに当たって、最低限必要になると思われる目的である。

レポート作成に 文書作成ソフト が必要になり、情報分析に 表計算ソフト が必要になり、発表に プレゼンテーションソフト が必要になるというケースが多いだろう。これは文系理系関係なく必要となり、おそらく、卒業後の社会人生活でも技能としては求められてくることになるだろう。なお、多くの場合は、企業に就職した後は、企業からパソコンが支給されるのが普通なので、とりあえずのところ卒業後まで考える必要はない。

Office は文書作成ソフトや表計算ソフトなどがパッケージングされてまとめられているものである。最も有名で、おそらく、だいたいのところで利用されているのは、 Microsoft Office だろう。それ以外の会社でもMicrosoft Officeと似たようなアプリケーション群を開発し、販売している。これらのアプリケーション群は、パソコンを購入する際に一緒に購入すると、安かったりするので、考慮しておくと良い。なお、Microsoft Officeは、買い切り版の年がついているものと年会費で利用する Office365 がある。その他、無料で利用できる Apache OpenOffice もあるので、どれを選択するか考えてみると良い。

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③TVを見たい。

TVチューナーを搭載したパソコンもある。

スペースを節約したい場合などは、有効な手になるだろう。

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④インストール型のゲームをやりたい。

ゲームの度合いにもよるが、特に3Dやアクションゲーム、格闘ゲームのように画像の切り替わりが激しいゲームや動き方が高度なゲームを利用する際には、それに対応できるだけの性能が必要になる。

具体的には、CPUとメモリは高性能でないと、パソコン内での処理が間に合わないことになる。また、3Dをはじめとした画像の切り替えが激しいゲームは、性能が良い グラフィックボード が必要となる場合がある。その他、案外盲点だが、デスクトップパソコンを買う場合は、モニタの性能も必要になってくる。極論、最近のパソコンはテレビをモニタ代わりにすることができるため、そういったことも考えてみると良いだろう。ゲームをやりたいのであれば、性能が高いパソコンが必要になると思った方が良い。

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⑤インターネットを通じたオンラインゲームをやりたい。

インストール型のゲームと同じように、CPUやメモリ、グラフィックボードは高性能なものが必要になる。一概には言えないが、インストール型の(オフライン)ゲームに比べて、インターネットで通信しながらゲームが行われるため、より性能が求められてくるケースが多い。また、インターネットへの接続も、一部には 無線LAN接続 (Wi-Fi)しか使えないパソコンがあるが、 有線LAN接続 ができた方が安定して高速なインターネット接続ができるため、考慮した方が良いだろう。

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⑥画像編集をしたい

ゲームと同じく、高性能なCPUやメモリ、グラフィックボードが必要となる。ただし、ゲームほど高性能でなくても良いかもしれない。連続の画像編集の時間が長くなればなるほど、パソコンへの負荷が大きくなっていくため、時間を決めて休憩する(パソコンを消して休憩させる)などすると、さほど高性能なパソコンでなくとも、動かすことは可能である。また、大きめなモニタやタッチ操作が可能なモニタペンタブレットなどがあると良いかもしれない。画像編集用のパソコンも存在するため、確認してみても良いだろう。

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⑦動画編集をしたい。

ゲームと同じく、高性能なCPUやメモリ、グラフィックボードが必要となる。画像編集と違って、ゲームと同程度の高性能なパソコンである方が無難である。動画編集をするために、TVやビデオなどをアナログデータで読み込めるような装置があると、動画編集の幅が広がるだろう(ただし、著作権法はしっかり守ることが重要)。その他、作成した動画を保存するために、DVDやBlu-rayなどに保存できるドライブがあると良いだろう。

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⑧研究解析アプリケーションを使いたい。

研究用の解析アプリケーションは、ものにもよるが、非常に高度な性能を必要とするケースがある。

アプリケーションによるので、一概には言えないが、CPUよりもメモリを高性能にした方が良い。アプリケーションによっては、動いていたと思ったら、突然消えるという現象が起こる場合がある。これは、メモリが足らなくなって動かなくなったというエラーの場合が多い。CPUが高性能だと、その分スピードが上がるが、性能がやや劣ってもアプリケーションの推奨環境を超えていれば動かないことなはい。CPUももちろん重要だが、どちらかを重視するとすれば、メモリだろう。また、ストレージは、 HDD よりも SSD の方がスピードが上がるため、可能ならばSSDが良いだろう。

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⑨自作のプログラムを動かしたい。

自作のプログラムの種類によるが、研究解析アプリケーションと同じようにCPUとメモリが重要になってくる。

メモリの管理は自作のプログラムであれば、一定以上にならないようにすることができる。もちろん、メモリが多い方が良いだろうが、CPUを高性能にして、スピードを上げるのが良いだろう。ストレージもスピードに大きく関わるため、HDDではなく、SSDにできれば良いと思われる。

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⑩複数のOSを併用したい。

複数のOSの併用の仕方による。例えば、 Windows と Linux の両方を同じパソコンに入れておくが、片方しか一度に利用しないのであれば、ストレージの容量が大きいと良いだろう。一方で、Windows上でLinuxを動かすといったことをする場合は、同時に複数のOSが起動する状態になるため、パソコンへの負荷は大きくなる。ストレージの容量の大きさ以外にCPUとメモリも高性能であることが求められる。

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パソコンの形態を考える

細かく分けると様々な形があるが、パソコンには大きく分けて、 デスクトップパソコン と ノートパソコン の2種類がある。形態で、考えるべきポイントは、パソコンを持ち歩きしたいか否かである。

デスクトップパソコン

デスクトップパソコンは、置きっ放しにすることが前提のパソコンである。本体とキーボード、モニタ、スピーカーなどが別々であり、自由に選べるというところがわかりやすいポイントである。大きなモニタを使ってみたり、音質の良いスピーカーを使ってみたりといろいろと工夫できる。

基本的にはノートパソコンよりも割安になる。ノートパソコンが主流になってきた最近では、低性能のパソコンの場合、必ずしも安いというわけではなくなってきたが、性能に対しては安い場合が多い。これは、デスクトップパソコン用のCPUなどの部品とノートパソコン用のCPUなどの部品が別物であるためである。ノートパソコン用の部品は、省電力がメインに考えられており、そもそも性能がやや劣る傾向になる。デスクトップパソコン用の部品も、近年省電力化されているが、ノートパソコン用の部品に比べたら、電力を多く使う分、性能も高い。省電力で性能を引き出そうとする方が高い技術を必要とするため、ノートパソコンの方が値段が高くなるのである。また、本体が大きいデスクトップパソコンは、その分スペースに余裕があるため、グラフィックボードを追加したり、冷却装置を追加したりすることもできる。通気性も高いため、ノートパソコンに比べて熱くなりにくい傾向にもある。

持ち運びをせずに、置く場所も確保できるのであれば、デスクトップパソコンがオススメである。

ノートパソコン

持ち歩きをするのであれば、ノートパソコンを選ぶ必要がある。ノートパソコンは、デスクトップパソコンと違って、本体、モニタ、スピーカー、キーボードなどが一体化しており、ノートパソコンだけでも利用できるところが大きな特徴である。

ただし、ノートパソコンと言っても、大きさは多岐にわたる。小さいものは、10型程度の大きさ(だいたいA5用紙くらい)のものも存在する。大きいものは、16型程度の大きさ(だいたいA4用紙くらい)のものも存在する。当然、大きさに応じて重くなるため、10型のノートパソコンは軽くて持ち運びも便利だが、16型のノートパソコンはおそらく重くて持ち運びはできないだろう。その一方で、10型は画面がかなり小さいため、決して見やすくはなく、表示できる情報が減り、操作も限られることになる。ノートパソコンは、この点を踏まえて、大きさを決める必要性があるだろう。

筆者の私見では、12型程度のものが持ち運びやすく、画面も見やすいのではないかと思われる。軽いものであれば、12型の大きさで重量が1kgを切るノートパソコンもあるため、持ち運びには非常に便利である。ただし、大きくて軽いものは高いため、財布と相談する必要があるだろう。ゲームや動画編集などをして、グラフィックボードが必要な場合は、12型程度の小さなノートパソコンでは、追加で積んでいないものが多いため、大きいノートパソコンでなければ利用できない可能性がある。スペースの問題である。大きめなノートパソコンは、こういった理由や、デスクトップを置きっぱなしにする場所がないため、使用していないときは片付けておきたい場合にも有効である。

OSを決める

パソコンを購入する際にまず決めなければならないものはOSである。

市販されているパソコンは、おおむねWindowsかmacOSから選ぶことになる。スマートフォンにおいて、Androidのスマートフォンか、iOSのスマートフォンかを選ぶのと同じである。

Windows

Windowsがパソコンとしては、未だにシェアトップである。多くの大学や企業に導入されているパソコンもWindowsが多い。おそらく、ほとんどの大学の授業などで利用されるのは、Windowsのパソコンだろう。Windowsが特別簡単というわけではないが、ポピュラーなので、初心者はWindowsのパソコンの方が良いと考えられる

2018年4月現在では、Windows10が最新版であり、ほとんどのWindowsのパソコンで利用されている。Windows10 homeとWindows10 Proの2種類をよく見ることになるだろうが、かなり使い込むようにならなければこの2種類の機能の差は気にならないだろう。はっきりとした価格差が出ていれば、homeで良いと思うが、それほど価格差が出ている印象はないので、Proでも良いと思われる。

また、古いものがたまに残っていて、Windows7やWindows8などを見かけることがあるが、安くてもオススメしない。Windows10と、Windows7やWindows8はかなり違いがある。パソコンそのものの性能も性能表ではわかりにくい差が出ている可能性が高い。家にまだあったので使うというのは良いと思うが、新たにお金を出して買うようなものではない。また、今後Windows10の後継となる新しいWindowsが出る可能性が高いが、出たばかりは買わない方が良い。出たばかりは、まだバグや仕様の不備といった使いにくい部分が多数あり、それを使っている人々が探してMicrosoftに報告して直していくということになるので、非常に使いにくいはずである。出て一年は経った後の方が無難である。

macOS

Appleの製品に搭載されているOSであり、Appleの製品を使いたいのであれば選ぶことになる。ただし、シェアはWindowsには及ばず、大学などにはあるところもあるだろうが、主流ではない。Windowsと似ているようで、操作の仕方も違う部分があるため、Windowsばかりを使っていた人間がいきなり使うと、慣れるまで時間がかかるだろう。逆にmacOSばかりを使っていた人がWindowsのパソコンを使うと戸惑うケースもある。

クリエイター系のアプリケーションがかなりそろっているため、画像編集動画編集をやりたい人は、macOSを使うのも手である。一方で、Windowsでは使えるが、macOSでは使えないといったアプリケーションも多く存在するため、使いたいアプリケーションがある場合は、使えるかどうかをしっかりと確認してから選ぶ必要がある。

パソコンの性能を考える

ここまでは、ある程度聞かなくてもわかるような内容だと思うが、さて、パソコンの性能となってくると、途端に困ってくる人々は少なくないだろう。パソコンの性能を測る項目は、これこそ多岐にわたっているが、細かく話しすぎてもわからなくなると思われるので、ここではザックリと大雑把に書くこととする。本来はもっと細かい話であると言うことを認識して呼んでもらいたい。

おおむねどんなユーザーにとっても関わってくるだろう、以下の項目について、ここでは書こう。

①CPU

CPU(Central Processing Unit)とは、コンピュータの頭脳とも言うべき部分である。中央処理装置とも呼ばれる。ザックリと書くと、ここの性能が良いと、パソコンのスピードが速くなる。性能は、クロック数コア数で見ると良いだろう。

クロック数

よくCPUの名前の後に1.10GHzとか、1.30GHzとかと書いてあるだろう。1秒間にどれくらい処理できるかという値になり、Hzは理科で習う周波数の単位と同じと思ってもらって構わない。つまり、この値が大きいほど、処理スピードが速いということになる。筆者が使っているCPUで見てみると以下のように書いてある。

Intel(R) Processor 5Y70 CPU @ 1.10GHz 1.30GHz

この赤と青にした部分がクロック数である。このうち、最初(ここでは赤)に出てくる方が基本性能であるため、2つ書いてある場合は、最初の方を見ると良い。

後(ここでは青)の方はターボブーストテクノロジーの値になり、簡単に言うと、処理が忙しいときだけ一時的に出る最大値であるので、ずっとこの処理速度を出し続けられるわけではない。

コア数

CPUの中に入っている実際に処理を行う部分の数である。3.0GHz1コアのCPUと1.60GHz2コアだと、前者は3.0GHzの性能、後者は1.6GHz2コア=3.2GHzという性能と見なすことができる。

同時に行える処理数もコアの数が増えれば増えるので、コア数が多い方が性能が高いということができる。

銘柄

CPUの銘柄は、メーカー製のパソコンでは、Intel社製のものがポピュラーだろう。Core i*という名前のものが多い。この*の部分に当たる数字が大きい方が性能が高い傾向がある。これら以外に、Intel社製のCPUは、廉価版のCeleronとPentiumがある。

性能は一般的に以下のようになる。

Celeron<Pentium<Core i3<Core i5<Core i7<Core i9

その他、AMD社製のCPUもあるが、筆者は使ったことがないので、説明は割愛する。性能が悪いわけではないので、考慮に入れるのは良いと思われる。

②メモリ

メモリは、CPUが処理をするときに一時的にデータを保存しておく部分である。メモリは、データの容量で数えられるので、Bite(バイト)で示される。つまり、メモリの性能が高ければ、多くのデータをまとめて処理できることになる。多くの処理を必要とするゲームや画像編集、動画編集をする場合は、多く積んでおいた方が良い。また、あまりメモリを必要としない使い方であったとしても、複数のアプリケーションを同時に動かすためには多いに越したことはない。

③グラフィックボード

画像や動画を処理するために必要な装置である。 ビデオカード や グラフィックカード とも呼ばれる。よく「オンボード」と書いてあって、ある程度のことであれば、追加のグラフィックボードを積んでいなくても処理できる。ただし、画像や動画を多用するゲームや動画編集、特に3D系には必須になる場合が多い。必須なのに無理をして動かし続けると、パソコン自体が壊れることがある。NVIDIA社製GeForceやAMD社製Radeonなどが有名である。

性能は、ビデオメモリの大きさで見ると良い。メモリと同じく、Byte(バイト)で示される。

④内部ストレージ

データを保存する部品をまとめてストレージと呼ぶ。特にパソコンの中に入っている内部ストレージは特に重要で、パソコンを動かすためのOSやアプリケーションを入れる必要がある。交換もできなくはないが、簡単にできるものではないため、内部ストレージは、購入したときのものを使い続けると思った方が良い。大きく分けてハードディスクとSSDがある。

ハードディスク (HDD)

前から使われている一般的なストレージである。SSDと比べると、大容量、低価格だが、重くて、衝撃に弱くて壊れやすい。Byteで大きさは示される。最近は、TB(テラバイト)の大容量のものが多い。

SSD

最近使われ始めたストレージである。ハードディスクに比べると、軽いが、まだまだ容量に対して高い。容量もハードディスクに比べると小さいが、物理的に動いているわけではないので、ハードディスクに比べると衝撃には強い(壊れないわけではない)。軽いノートパソコンでは、必須になっている。64GB、128GB、256GB、516GBが主流である(2018年04月01日現在)。これ以上の容量のものもあるが、高価である。

容量

ハードディスクにせよ、SSDにせよ、内部ストレージの容量は重要である。どれくらいのことをそのパソコンでやるかによるが、OSに加えて、様々なアプリケーションを利用するのであれば、容量が必要になる。注意が必要な点は、容量を100%利用できるわけではない。どこにどのファイルがあるかといったインデックス(目次のようなもの)など目に見えないものを作る必要があるので、100%保存できない。さらに、保存可能な容量についても数GB程度は空き容量がないと、パソコンは動きが遅くなる。

OSがだいたい10GB~20GB程度は占有すると考えた方が良い。

Microsoft Officeだけで3GB程度が必要となり、その他のアプリケーションまで入れた場合はアプリケーションだけでもすぐに数十GBはいってしまう。それにさらにデータ分の容量が必要となってくるので、しっかりと使うのであれば、ある程度の大きさが必要になるだろう。

筆者の個人的な感覚だが、200GB以上はあった方が無難と思われる。それよりも少なくても節約すれば使っていけるだろうし、USBメモリや外付けHDDなどの外部ストレージを利用するという方法もあるだろう。

⑤インターネット接続

インターネットに接続するための方法である。有線LAN接続と無線LAN接続がある。

有線LAN接続

LANケーブルを直接接続する方法である。直接接続した方が安定的に接続できる。ただし、有線LANが接続できるところでしか利用できない。一部のノートパソコンには接続できないものがあるので、注意が必要である。最初から接続端子がないものであっても、USBなどを用いて追加することができる。

無線LAN接続

Wi-Fiなどの無線で接続する方法である。無線の電波状況に応じて接続が不安定になることがあるが、無線LANが飛んでいるところであれば、接続することができる。デスクトップパソコンには搭載されていない場合が多い。最初から搭載されていない場合であっても、USBなどを用いて追加することができる。また、一部のノートパソコンでは、SIMカードを入れることによって、直接電波を受信できるものもある。

⑥メディアドライブ

スマートフォンは、基本的にはAppStoreやPlayストアなどでダウンロードしてきたアプリケーション(アプリ)をインストールして使うだろうが、パソコンの場合はそうとは限らない。今後、スマートフォンと同じようにダウンロード型のアプリケーションは増えていくだろうが、全体的に見たら、まだまだCDやDVDなどのメディアからインストールするという方法が主流である。よって小型のノートパソコンをはじめとして、一部のパソコンでは、CDやDVDなどを読むドライブが搭載されていないものがあるので、注意が必要である。CDやDVD、Blu-rayなどのディスクは、アプリケーションのインストール以外においても、データを保存する際にも利用できる。

リカバリディスク の作成や音楽、動画の再生、保存にも必要なものなので、利用の幅は広い。パソコンはおおむね、ドライブなしスーパーマルチドライブBlu-rayドライブの3種類で売っている。ドライブなしは、その名の通りドライブなし。

スーパーマルチドライブは、CDやDVDの読み込みと作成ができるものである。Blu-rayは読み込みも作成もできない。また、DVDの作成に関しては、作成できるDVDの種類が記載されているので、確認が必要である。Blu-rayドライブは、スーパーマルチドライブに加えて、Blu-rayも読み込みと作成ができるものである。DVDやBlu-rayの作成については、作成できる種類が記載されているので、確認をする必要がある。ドライブが搭載されているものは、当然、搭載されていないものよりも重くなる。持ち運びをするノートパソコンであれば、必ずしも必要ではないだろう。USB接続などの外付けドライブもあるため、筆者は、ドライブなしのノートパソコンを購入し、必要なときだけ外付けのドライブを持って行くことにしている。

このように、パソコンを購入する際に確認した方が良い性能は、いくつか存在する。

これら以外にも端子の種類がどの程度あるかやモニターの種類、頑丈であるかどうかなど見るべきポイントはあるが、ここに出てきたところが基本項目として確認すべき点であろう。

パソコンを買う時と場所を考える

さて、ある程度、パソコンを選ぶための知識がここまではついてきただろうが、ここでもう一つ重要なポイントがある。どこで買うかだ。パソコンを購入できる場所は多岐にわたっているが、おおむね以下のように分けられるだろう。

  • 家電量販店
  • パソコンショップ
  • 通販サイト
  • メーカー直販の通販サイト
  • 中古販売店

家電量販店

パソコン以外の家電も売っている家電量販店である。おそらく、だいたいの人がパソコンを買おうと思ったときに見に行くところだろう。メーカー品が多く売っている。家電量販店の店員は、素人の客の相手は慣れているので、丁寧に教えてくれるだろう。ただし、ある程度の知識や「いくらまでしか買わない」と言った強い意志を持っていないと、オーバースペックで高めのパソコンを薦めてくる定員もまれにいるので、注意が必要である。

また、大きめの家電量販店では、メーカーの社員が売り場にいることがあり、家電量販店の店員よりも詳しい説明を聞くことができる場合もある。新生活応援フェアなど他の家電と組み合わせて買うと安くなるなどといったキャンペーンをやっているときもある。また、パソコンによっては、新製品が出た直後の旧製品が安くなるといったこともあり、展示品や旧製品などをアウトレット商品として安く売っている場合もあるので、買う時期を考えてみても良いだろう。

パソコンショップ

パソコン専門店である。秋葉原などに多くあるが、それ以外の場所にもちらほらみることができる。もちろん、メーカー品も売っているだろうが、パソコンショップがオリジナルで作成したパソコンも売っている。家電量販店の店員よりもパソコンショップの定員の方が、総じて言えばパソコンに詳しいだろう。もっとも、初心者がいきなりパソコンショップに行くかと言われるとそうではないだろうから、やや専門的な話になるかもしれない。

パソコンショップオリジナルのパソコンは、メーカー品よりも高性能かつ安価のものがあるので、活用してみるのも手である。希望に応じて、細かいカスタマイズをしてくれる場合もある。ただし、メーカー品と違って、一点ものになってしまう場合があるため、不調の場合などは買った店に行く必要が出てくる。サービスもパソコンショップによってまちまちなので、よくよく吟味する必要があるだろう。有効活用ができれば非常に効果的である。

通販サイト

通販サイトで購入する方法もある。実店舗型の店と違って、人件費や地代などが安上がりで済む分だけ、値段も安くなる場合が多い。ただし、実物を触って確認することができないため、思っていたものと違うものが届く場合や、詐欺のサイトなどもあるため、よくよく注意が必要である。

メーカー直販の通販サイト

メーカーが直接販売する通販サイトである。基本的には、定価で安くない。ただし、特別なカスタマイズができるなど、メーカーごとに特別なサービスがある場合が多い。また、旧製品が安く売られている場合もあるため、新製品が出た直後はチャックする価値はあるだろう。その他の通販サイトと同じく、実物を触れないのがデメリットになるだろう。

中古販売店

新品だけがパソコンを購入する方法ではない。ただし、パソコンは消耗品が組み合わさってできているので、中古品の性能は売った人の使い方次第である。当たり外れの差が大きい。個人的には、新品をオススメするが、中古品は総じて新品に比べたら安いので、お金はないけど、パソコンが必要という場合は、考えてみても良いだろう

■買うパソコンを定める(まとめ)

このような形で、パソコンを購入する際のポイントを説明してきた。それでは、利用用途に応じて、どの辺を重視すれば良いのかを筆者の私見として書いてみる。結局、使い方次第でかなり変わってくるので、必ずしもその通りにしなければならないわけではない。参考程度にしてほしい。

①Eメールやインターネットサーフィンのみ(高画質な動画配信やインターネットのゲームは利用しない)が利用できれば良い。

正直に言って、どのようなパソコンでも新品で買ったものであれば、だいたい問題ないだろう。あえて挙げるとすれば、CPUはCore i3以上あった方が良い程度だろうか。

②Officeを利用したい。

大学生活を加味して考えるのであれば、以下のようになるだろうか。

形態 デスクトップパソコンでもノートパソコンでも可
OS Windows
CPU Core i3以上
メモリ 4GB以上
グラフィックボード 不要
内部ストレージ ハードディスクとSSDはどちらでも、200GB以上あると良い
インターネット接続 無線LAN接続だけでもOK
メディアドライブ Officeのダウンロード販売で購入するのであれば、なくても良い。

性能の優先順位で考えると、CPU⇒メモリの順で性能を優先すると良いだろう。それ以外はあまり考えなくても良いと思われる。Microsoft Officeが最初からついているパソコンを買うのも手である。なお、Excelのマクロ機能を使う場合は、もう少し性能が高い方が良いかもしれない。

③TVを見たい。

形態 デスクトップパソコン
OS Windows
CPU Core i5以上
メモリ 8GB以上
グラフィックボード あった方が良い
内部ストレージ ハードディスク1TB(録画する場合は多い方が良い)
インターネット接続 無線LAN接続だけでもOK
メディアドライブ Blu-rayドライブ(録画したものを保存するのにあった方が良い)

性能の優先順位は、内部ストレージの量⇒メモリ⇒CPUの順で性能を優先すると良いだろう。アンテナケーブルなども必要なので、買う際に店員に確認すると良い。

④インストール型のゲームをやりたい。

形態 デスクトップパソコンの方が良い
OS Windows
CPU Core i7以上
メモリ 8GB以上
グラフィックボード 必要
内部ストレージ SSD256GB以上
インターネット接続 有線LAN接続があった方が良い
メディアドライブ ダウンロード販売以外のゲームをやるのであれば、必要

性能の優先順位は、メモリ⇒CPU⇒グラフィックボード⇒内部ストレージの順で性能を優先すると良いだろう。ゲームによってはコントローラーが必要な場合もあるので、やりたいゲームがあるのであれば、確認しておくと良いだろう。

⑤インターネットを通じたオンラインゲームをやりたい。

形態 デスクトップパソコンの方が良い
OS Windows
CPU Core i7以上
メモリ 16GB以上
グラフィックボード 必要
内部ストレージ SSD256GB以上
インターネット接続 優先LAN接続が必要
メディアドライブ オンラインゲームであったとしても、DVDなどで販売しているものもあるので、それらを使う場合は必要

性能の優先順位は、メモリ⇒CPU⇒グラフィックボード⇒内部ストレージの順で性能を優先すると良いだろう。ゲームによってはコントローラーが必要な場合もあるので、やりたいゲームがあるのであれば、確認しておくと良いだろう。

⑥画像編集をしたい

形態 デスクトップパソコンでもノートパソコンでも可
OS macOSの方が良いかも
CPU Core i5以上
メモリ 8GB以上
グラフィックボード あった方が良い
内部ストレージ ハードディスク1TB(保存まで考えるのなら)
インターネット接続 無線LAN接続だけでもOK
メディアドライブ スーパーマルチドライブ以上はあった方が良い

性能の優先順位は、メモリ⇒CPU⇒グラフィックボード⇒内部ストレージの順で性能を優先すると良いだろう。Windowsでも十分に対応できるが、画像編集にこだわりたいのならば、Appleのパソコンは非常に価値がある。よって、OSはmacOSとした。画像編集ソフトとして何を使うかが大きく関わってくるので、そこまで考えてみると良い。Windowsではできないというわけではないので、初心者だからWindowsだけど、画像処理もやってみたいというのもアリである。

⑦動画編集をしたい。

形態 デスクトップパソコンの方が良いが、ノートパソコンでも可
OS macOSの方が良いかも
CPU Core i7以上
メモリ 16GB以上
グラフィックボード 必要
内部ストレージ ハードディスク1TB以上(保存まで考えるのなら)
インターネット接続 無線LAN接続だけでもOK
メディアドライブ スーパーマルチドライブ以上はあった方が良い

性能の優先順位は、メモリ⇒CPU⇒グラフィックボード⇒内部ストレージの順で性能を優先すると良いだろう。Windowsでも十分に対応できるが、動画編集にこだわりたいのならば、Appleのパソコンは非常に価値がある。よって、OSはmacOSとした。動画編集ソフトとして何を使うかが大きく関わってくるだろう。そこまで考えてみると良い。Windowsではできないというわけではないので、初心者だからWindowsだけど、動画処理もやってみたいというのもアリである。

⑧研究解析アプリケーションを使いたい。

形態 使い方によるが、持ち運びが必須でないのならば、デスクトップパソコンの方が良い
OS WindowsもしくはLinux
CPU Core i7以上
メモリ 16GB以上
グラフィックボード 不要
内部ストレージ SSD516GB以上あると良い
インターネット接続 優先LAN接続だけでもOK
メディアドライブ アプリケーションのインストールにスーパーマルチドライブ以上が必要な場合が多い

性能の優先順位は、メモリ⇒CPU⇒内部ストレージの順で性能を優先すると良いだろう。ただし、これは必要になってから考えて買うのが良いと思われる。

⑨自作のプログラムを動かしたい。

形態 使い方によるが、持ち運びが必須でないのならば、デスクトップパソコンの方が良い
OS Linux
CPU Core i5以上
メモリ 8GB以上
グラフィックボード 不要
内部ストレージ SSD516GB以上あると良い
インターネット接続 優先LAN接続だけでもOK
メディアドライブ アプリケーションのインストールにスーパーマルチドライブ以上が必要な場合が多い

性能の優先順位は、メモリ⇒CPU⇒内部ストレージの順で性能を優先すると良いだろう。ただし、これは必要になってから考えて買うのが良いと思われる。自作するプログラムの種類によってかなり必要な性能は違ってくる。余裕があるのであれば、高スペックのものを買うべきだが、必要に応じてというところになるだろう。

⑩複数のOSを併用したい。

形態 使い方によるが、持ち運びが必須でないのならば、デスクトップパソコンの方が良い
OS WindowsもしくはLinux
CPU Core i7以上
メモリ 16GB以上
グラフィックボード 不要
内部ストレージ SSD516GB以上
インターネット接続 優先LAN接続だけでもOK
メディアドライブ アプリケーションのインストールにスーパーマルチドライブ以上が必要な場合が多い

性能の優先順位は、メモリ⇒CPU⇒内部ストレージの順で性能を優先すると良いだろう。ただし、これは必要になってから考えて買うのが良いと思われる。


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