最終更新日:2019年04月01日
目次
コンピュータネットワーク
コンピュータネットワークとは
「コンピュータネットワークって何? 」と質問すると、「インターネットのことでしょ」と答える人が多い印象がある。実際、今この文章を読んでいる方の中にもそういった認識の方も少なくはないはずだ。
しかし、コンピュータネットワーク=インターネットという認識は必ずしも正しくはない。
インターネットとは、世界レベルで繋がったコンピュータ同士の ネットワーク のことである。一方で、コンピュータネットワークとは、コンピュータ同士のネットワークのことであり、インターネットは、コンピュータネットワークの一種であるといえるが、コンピュータネットワークには、インターネット以外も存在するのである。
図1 コンピュータネットワークの概念
コンピュータネットワークの種類
コンピュータネットワークには、最も有名であろう、インターネット以外にも存在する。図2のようにわけることができる。
図2 コンピュータネットワークの種類
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LAN(Local Area Network)
Local Areaということで、狭い範囲に存在するコンピュータ同士で利用されるコンピュータネットワークのことである。例えば、1つの部屋内や1つの建物内に存在するコンピュータ同士によって構成されることがある。
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WAN(Wide Area Network)
LANが狭い範囲(Local Area)であるのに対し、広い範囲に分布しているコンピュータ同士で利用されるコンピュータネットワークである。例えば、同じ大学のAキャンパスとBキャンパスや、同じ会社のA支店とB支店に存在するコンピュータ同士で構成されることがある。
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インターネット
世界中の接続されたコンピュータ同士で利用されるコンピュータネットワークのことである。共通したルールで広く開かれ、ありとあらゆるコンピュータが利用できるのが特徴である。特定のコンピュータやケーブルなどに依存することなく、複数のコンピュータが複雑につながりあって構成されている。この複雑な形が蜘蛛の巣に似てるとのことで、WWW(World Wide Web)と呼ばれるようになった。Webとは、蜘蛛の巣のことである。
図3 WWWの概念図
LANやWANとインターネットの大きな違いは、限定されているか、公開されているかの差が大きい。LANやWANは、コンピュータネットワークの管理者がおり、その管理者がコンピュータネットワークに接続しているコンピュータを管理している。極論、管理者が許可しないコンピュータはコンピュータネットワークには参加できない。一方で、インターネットは特定の絶対的な管理者がいるわけではない。インターネットの共有のルールに従っていれば、広くどのコンピュータでも参加できるものである。
このようにLANやWANとインターネットでは、明確な違いがある。しかし、参加しているコンピュータ同士が通信してやりとりをするということは同じである。例えば、インターネットに公開している Webサイト は、インターネットに参加している全てのコンピュータから見ることができる、LANやWANにだけ公開しているWebサイトは、LANやWANに参加しているコンピュータからしか見ることができない。このようにして、よく大学内でのみ閲覧可能なWebサイトや社内でのみシステムを作成することがある。また、VPN を利用して、インターネットを通じて、LANやWANに実際には参加していないコンピュータであるのに、仮想的に参加しているように見せることもある。
アドレス
アドレス
コンピュータネットワークを利用して、コンピュータ同士が通信をすることになる。その際は、「どのコンピュータのどのファイルを見る」といった形でやりとりを行う。インターネットをはじめとして、コンピュータネットワーク上で特定のコンピュータや特定のファイルを示すためにアドレスを使う。よく ホームページアドレス だとか、 メールアドレス だとかは聞くだろう。アドレスは、和訳すると住所の意味になる通り、そのコンピュータやファイルの場所を示している。このアドレスを使うことによって、特定のコンピュータやファイルを示すことができるのである。
URL(Uniform Resource Locator)
ホームページアドレスは、例えば以下のようになっている。
図4 URLの例
おおむねだいたいの ブラウザ では、上部にアドレスバーがあり、そこでどのファイルを見ているのかを指定している。最近のブラウザでは、アドレスバーに検索ワードを入れて、検索ができるようになってしまったため、検索をしていると勘違いする人が多いが、アドレスバーにアドレスを入れるという行為は、そのアドレスで指定されたファイルを見るという行為である。
図5 URL
よくホームページアドレスと呼ばれているアドレスは、正確には URL と呼ぶ。URLは部分部分に応じて、以下のように分けられる。
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プロトコル
通信するためのルールのことである。http://やhttps://が一般的だが、file://やftp://などもある。
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ホスト名
インターネットに参加している1台のコンピュータを示す言葉である。インターネットでは、多くの場合、ドメイン名で書かれるが、IPアドレスで書かれることもある。
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ファイルのパス
見るファイルのパスである。ホスト名で示されるコンピュータの中で、見るファイルがどこにあるのかという場所を示すものである。
このようにプロトコルとホスト名、ファイルのパスを組み合わせて、コンピュータネットワーク上の特定のコンピュータの特定のファイルを見ているわけである。
IPアドレスとドメインネーム
コンピュータネットワーク上のコンピュータのアドレスは、本来、IPアドレスという方法で示される。現在用いられているのは、IPv4という方式で、「???.???.???.???」といった形で表現される。???は0~255の間の正の整数が使われ、「
この数字は、コンピュータにとってはわかりやすいのだが、人が読むには非常にわかりにくい。よって、URLには、IPアドレスではなく、ドメイン名が専ら利用される。IPアドレスとドメイン名を1対1で対応し、変換される。ドメイン名は、図6のように表され、特定のルールに加えて、多くの場合では組織名が用いられるので、人間としてはドメイン名の方がわかりやすいのである。
図6 ドメイン名
種類 | 説明 | 例 |
---|---|---|
トップレベルドメイン | 世界共通で利用されるドメインである。 |
.com:商業用 .org:非営利団体用 .net:通信事業者用 .gov:政府機関用 などがある。 |
国別コードトップレベルドメイン | 国や地域を示すドメインである。 |
.jp:日本 .uk:イギリス .tv:ツバル .to:トンガ などがある。 |
セカンドレベルドメイン | 国別コードトップレベルドメインの前に付けて、ドメインを利用する組織の分野を示すために用いられる。 |
.co:商業用 .ne:通信事業者用 .go:政府機関用 .ac:学術団体用 などがある。 |
このようにドメイン名は、取得した組織名が入ることが多く、ドメインの種類に応じて、組織の分野で整理される。ドメインを管理している組織があり、その組織へ申請することによって、誰でもドメイン名は取得することができる。ただし、ドメイン名は重複しないため、すでに利用されているドメイン名は新たに取得できない。
トップレベルドメインは、国にかかわらず、世界共通で利用されるドメインで、「.com」などはよく見かけることだろう。取得した団体の事業分野によって、使い分けられている。
一方で、「.jp」のように国単位で管理される国別コードトップレベルドメインも一般的である。日本国内の組織を指し示すものが「.jp」であるため、日本のサイトをよく見る人ならば、見かけることが多いだろう。「組織名.jp」といった形で終わる形のドメイン名もあるが、「.jp」の前にセカンドドメインを追加して、取得した団体の事業分野を示すことも多い。「mejiro.ac.jp」であれば、日本の(.jp)学術団体の(.ac)目白(mejiro)という形で、後ろから読むと意味が通じやすい。日本以外にも「.uk」(イギリス)や「.us」(アメリカ合衆国)などがあり、国だけではなく、「.hk」(香港)や「.nc」(フランス領ニューカレドニア)もう少し狭い範囲の地域でも設定される。なお、よくテレビなどで用いられている「.tv」は太平洋上の島国のツバルの国別コードトップレベルドメインである。
また、ドメイン名の前に「www」などのサブドメインを置くこともできる。サブドメインは、特に申請を必要とせず、ドメイン名の取得者が自分自身で設定でき、同一のドメイン名で複数のサイトを運営する際などに利用される。
ドメイン名は、URL以外にメールアドレスなどでも利用され、ドメイン取得者によって利用されている。
Webサイト
よくホームページと呼ばれているが、ホームページとはブラウザを起動した際に、最初に表示されるように設定されているWebページのことである。おそらく、よくホームページと呼ばれている1ページ1ページは、正確にはWebページと呼び、ひとくくりになった一連の複数のWebページのことをWebサイトと呼ぶ。Webサイトが構築されているコンピュータをWebサーバーと呼び、接続されているコンピュータネットワーク上にWebサイトを配信している。
図7 WebサーバーとWebサイト
多くの場合、利用者は、これらのWebページをブラウザを利用して見ている。Webページに設定された ハイパーリンク 機能を用いて、ブラウザ上でボタンを押すようにして、次のWebページへ移動できるようになっている。Webページは HTML 言語を利用して作成されることが多いが、他にも Java 言語などで作成されることもある。
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